イーサンは独りで行動するつもりなのだと誰もが思っていた。
それでもイーサンは再びチームの助けを求め、そしてそれがヘンドリクスの計画を止める最後のチャンスだった。
飛行場で彼がブラントを問い詰めなかったとき、は少しほっとした。今はまだ任務中だ。それに告白が原因で誰かに何かが起きたらきっと耐えられない。
「大丈夫か?」
飛行機に乗る直前にイーサンに声をかけられ、は振り返った。
「えっ?」
「泣いてただろ」
「あ……そうね、わたしは大丈夫」
改めて指摘されると気恥ずかしくて、は頬を染めた。
「そ、それより……わたしよりジェーンをフォローしてあげて。きっと自分を責めて……落ち込んでると思うから」
「僕が?」
「チームリーダーだし……深い意味はないけど、あなたがフォローするのが一番いいと思うの。その……大事な人を失ったから……」
誰、とはは言わなかった。イーサンならそれだけ言えばわかってくれるだろう。